院長ブログ
ビタミンC(点滴)について
ビタミンC点滴について
ビタミンCを静脈から針を刺して、生理食塩水や蒸留水に溶解して注射または点滴する方法です。
効果
- 美肌・美白効果
ビタミンCはメラニンの生成を抑制し、しみや肝斑の改善に寄与します。また、コラーゲンの生成を促進し、肌のハリや弾力を向上させる効果があります。 - 免疫力の向上
ビタミンCは白血球の働きを強化し、体内のウイルスや病原菌を排除する能力を高めます。これにより、風邪やインフルエンザなどの感染症予防にも役立ちます。 - 抗酸化作用
活性酸素を除去し、細胞の老化を防ぐことで、生活習慣病やがんの予防にも寄与します。 - 疲労回復・抗ストレス効果
ストレスに対抗するホルモンの生成に関与し、疲労回復を促進します。
副作用
- 点滴痛
点滴中に針を刺した部位に痛みが生じることがあります。マグネシウムを点滴内に混ぜることで血管痛が出ないようにします。また点滴速度をゆっくりにしたり、腕を体幹から離すようにすると痛みが軽減することがあります。 - 口渇
ビタミンCには利尿作用があり、点滴中に喉が渇くことがありますので、点滴中は飲水をして頂きます。 - 吐き気や頭痛
点滴の速度が速い場合や体調によって吐き気や頭痛が生じることがあります。 - 低血糖
ビタミンCはブドウ糖と構造が似ているため、インスリンが分泌されて血糖値が下がることがあります。特に点滴開始後15分以内に多く見られます。 - 低カルシウム血症
ビタミンCはカルシウムを体外に排出するため、低カルシウム血症を引き起こす可能性があります。 - 見せかけの高血糖
簡易血糖測定器で測定すると高血糖値が出ることがあります。これはビタミンCとブドウ糖の構造が似ているためです。インスリンや打っている方や、血糖値をご自分で測定している方は注意が必要です。 - 尿路結石
過剰なビタミンC摂取は尿路結石を引き起こす可能性がありますが、点滴ではこのリスクは比較的低いとされています。
点滴するビタミンCの量について
ビタミンCは2g、4g、10g、25g、50gがあります。
美容や疲労回復を目的とする場合はビタミン10gか25gがお勧めです。
癌の治療のサポート(食欲増進、倦怠感の改善など)を目的とする場合は25gか50gが必要です。
ビタミンC25g以上の点滴をする場合のG6PD検査について
高濃度ビタミンC(25g以上)を点滴する場合、グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)が欠損している方がまれにおられます。欠損している場合に高濃度ビタミンCを点滴すると、「溶血」を引き起こす可能性があります。G6PDは赤血球を保護する重要な酵素であり、その欠損はビタミンCの高用量投与による赤血球の損傷を招くことがあります。溶血が起こると赤血球が壊れ、貧血になるため、重症化するため、G6PD欠損症の有無を必ず確認する必要があります。